リュックサックと、小さなバッグだけで3泊で熊本に行く。持っていった本は、須賀敦子全集の1巻と、荻世いをらの彼女のカロート。飛行機の中で少しだけ読んだ。霧のイタリア。
空港に着くと、天候は悪く低い位置に霧のようなものが見える。あれは霧なのか、熊本の火口の煙なのか。
夜遅く着いてそのままサウナ施設のゆらっくすに泊まってドミトリーのイビキの轟音が次々に襲いかかってくるので休憩所の方に逃げて朝方の4時頃にようやく眠れた。同行者の妻は女性専用のドミトリーの方でそっちは快適だったと言っていた。漫画も置いてあり宇宙兄弟を読む。
翌日は、別々で行動をする、私は市内を朝から見て回る日にしていて、朝から熊本城をみた。城内は広くかなり綺麗に復元されている。城内にも入って城の中から外を見られる。市内にある熊本現代美術館に行く。水俣の作家の展示がやっていて、これは普段は見に行かないようなもので、内容はボールペンの線画や小さな描き込まれた絵が並んでいる。石牟礼道子の小説の挿画などはすごい量だ。春の城という本が出ている、分厚い、石牟礼道子の最高傑作らしくこれは読まねばと思った。苦海浄土は昨年読んですごいと思った。見終わって資料を閲覧できる読書ルームのようなところに赤い服をきた男性がいるのが見えた。学芸員らしき人が話しかけて声を聞くとなんと坂口恭平だった。そのまま、展示を見に行くらしく展示室へ入っていった。お昼は中華そばを食べた。坂口恭平のmuseumは古いビルの中にあって、部屋を白く塗ってギャラリーにしている。静かな場所。熊本を面白くしている。近くにある橙書店をみる。小林エリカの親愛なるキティー達へが置いてある。須賀敦子全集の3巻を買う。Woodstockというレコードショップに向かう。階段を登って入ると、店内にカフェスペースもあり、ロフト部分のような箇所の巨大なオレンジ色のアンプが置いてある。30歳くらいの髪を染めた短髪の店員がヒップホップのレコードを流している。Woodstockというヒッピー的な響きとのコントラスト。Patti SmithのRADIO ETHIOPIAとGROUP87というフュージョンのレコードを買った。朝から動き回って、疲れ果ててホテルに戻って少し休んだ。
3日目は、熊本駅から阿蘇の方へ向かう。阿蘇の根子岳に登りに行く。根子岳は山の形がギザギザしていて猫の耳のように見えるからだというがいまいちそうは見えない。駅を降りると周りには何もなく、タクシーを呼んでおいたので登山口まで行ってもらう。牛が放牧されている山の裾野を過ぎていくと、すすきがたくさん生えているなだらかな丘があってそこがスタート地点になっている。丁度少し前のタイミングで、向かっていく2人組が見えた。周りに草原が広がる中を一本道で2人組が歩いてる景色はゲームのようだなと思う。歩いていくと林の中に入って行き、涼しくなる。根子岳は細いギザギザとなる尾根を登っていくので左右は切り立っている箇所もあり落ちないように慎重に歩いていく。阿蘇の周りの山々が見える。車道が一本あり、車が緩やかなカーブを走っていく。休憩で果汁グミのマスカット味を食べる。道中ハエが多いのだが、呼応するように食虫植物が生えている。登り切ると、山頂では先に行っていた二人組がコーヒーなどを淹れて昼食を食べている。コンビニで買った九州限定のおにぎりが美味しくてびっくりする。鯖と大葉のおにぎりと、ゆず明太子味。お米も心なしか東京のものより美味しく感じる。周りは、全て山に囲まれている。眺めていると先ほどの2人組の男性が、ここは火口の中で、壁に囲まれているようなものですよと、教えてもらう。火口の中にある平らな場所に町がある。不思議ですよねと言っていた。帰りは、また別の筋肉を使いながら降りて行きまたサウナのゆらっくすに戻った。夜は、市内の町中華のような場所で熊本名物の太平燕を食べた。

